日豪EPAについて

牛肉に関する決定事項

1. 牛肉

  • ■ 日本は現在、輸入に際し冷凍牛肉26.9%、冷蔵牛肉29.3%の関税を課しています(対CIF価格、すなわち輸入時運賃、保険料込の渡し価格)。日豪EPAに基づき、冷凍牛肉の関税率は18年かけて38.5%から19.5%に、冷蔵牛肉の関税率は15年かけて38.5%から23.5%に削減されます(表1参照)。
  • ■ 日豪EPA発効初年度にて、冷凍牛肉関税率は8%、冷蔵牛肉関税率は6%引き下げられます(表2参照)。
  • ■ 日豪EPAに基づき、オーストラリア産牛肉に関しては独自のセーフガード措置が適用されます。冷凍牛肉では、本EPA発効初年度の年間累計輸入量が19.5万トンを超過した場合には関税率が38.5%に引き上げられます¹。発効10年目のセーフガード発動基準数量は21.0万トンまで拡大されます(表2参照)。
  • ■ 冷蔵牛肉のセーフガード発動基準数量は本EPA発効初年度では13.0万トン、10年目では14.5万トンまで拡大されます(表2参照)。

*関税に関する日本側コミットメントを概括する本文書は、日豪EPAの附属書1第3編第2節の日本国の表に記載の関税に関する成果を説明および利用するに際しての一助となるよう、MLA豪州食肉家畜生産者事業団が作成したものです。本文書は、ガイドとしての利用を企図しています。日豪EPA全文および関税率表(HTS)成果に関してはwww.dfat.gov.au/fta/jaepaをご覧ください。

1.本文書記載の「年度、年間、年」とは、4月1日から始まる12か月間を指します。

表1 日豪EPA 牛肉
関税率表番号 品名 基準税率
(現行)
発効初年度+R5
(最終的な税率)
0201 牛肉(生鮮のものおよび冷蔵したものに限る)
0201.10.000 枝肉および半丸枝肉 38.50% 32.5%(15年目以降は23.5%)
0201.20.000 その他骨付き肉 38.50% 32.5%(15年目以降は23.5%)
0201.30.010 ロインのもの 38.50% 32.5%(15年目以降は23.5%)
0201.30.020 かた、うでおよびもものもの 38.50% 32.5%(15年目以降は23.5%)
0201.30.030 ばらのもの 38.50% 32.5%(15年目以降は23.5%)
0201.30.090 その他のもの 38.50% 32.5%(15年目以降は23.5%)
0202 牛肉(冷凍したものに限る)
0201.10.000 枝肉および半丸枝肉 38.50% 32.5%(15年目以降は23.5%)
0202.10.000 枝肉および半丸枝肉 38.50% 30.5%(18年目以降は19.5%)
0202.20.000 その他骨付き肉 38.50% 30.5%(18年目以降は19.5%)
0202.30.010 ロインのもの 38.50% 30.5%(18年目以降は19.5%)
0202.30.020 かた、うでおよびもものもの 38.50% 30.5%(18年目以降は19.5%)
0202.30.030 ばらのもの 38.50% 30.5%(18年目以降は19.5%)
0202.30.090 その他のもの 38.50% 30.5%(18年目以降は19.5%)

R5: EPA発効の後5年目の年に見直しを行うことが定められています。

セーフガードとは、世界貿易機関(WTO)のウルグアイ・ラウンド交渉(1994年)にて日本が合意した仕組みを指します。この仕組みにより、日本の会計年度内に輸入量がセーフガード発動基準数量を超える場合には、日本は牛肉の関税率を38.5%から50%へと引き上げることが可能です。日本の会計年度は4月から3月までとされ、セーフガード発動基準数量は、当該年度の輸入数量が前年同期より17%以上多い値として算定されます(算定は四半期ごとの累計数量をベースとして、冷蔵牛肉、冷凍牛肉別に行われます)。セーフガード発動基準数量と輸入数量は、通関ベースで算定されます。

表2 日豪EPA牛肉関税率削減 / セーフガード発動基準数量
関税率 セーフガード発動
基準数量
冷蔵 冷凍 冷蔵 冷凍
(現行) 29.3 26.9
初年度 (2015年1月15日~) 32.5 30.5 21,667 32,500
2年目 (2015年4月1日~) 31.5 28.5 131,700 196,700
3年目 (2016年4月1日~) 30.5 27.5 133,300 198,300
4年目 (2017年4月1日~) 29.9 27.2 135,000 200,000
5年目 (2018年4月1日~) 29.3 26.9 136,700 201,700
6年目 (2019年4月1日~) 28.8 26.7 138,300 203,300
7年目 (2020年4月1日~) 28.2 26.4 140,000 205,000
8年目 (2021年4月1日~) 27.6 26.1 141,700 206,700
9年目 (2022年4月1日~) 27.0 25.8 143,300 208,300
10年目 (2023年4月1日~) 26.4 25.6 145,000 210,000
11年目 (2024年4月1日~) 25.8 25.3
12年目 (2025年4月1日~) 25.3 25.0
13年目 (2026年4月1日~) 24.7 24.1
14年目 (2027年4月1日~) 24.1 23.2
15年目 (2028年4月1日~) 23.5 22.3
16年目 (2029年4月1日~) 21.3
17年目 (2030年4月1日~) 20.4
18年目 (2031年4月1日~) 19.5

*日本の会計年度ベース(4月から3月まで)
出典:農林水産省、オーストラリア外務貿易省、MLA豪州食肉家畜生産者事業団

2. 牛のくず肉および調整品

  • ■ 日豪EPA発効後直ちに、日本は0206全品目の関税を40%削減し(表3参照)、その割当数量は日本の会計年度ベースの初年度入荷重量で1万7,000トンから開始し、10年間かけて2万1,000トンまで拡大します。
  • ■ 調製をしおよび保存に適する処理をした牛肉の(第16.02項)の関税率は、日豪EPA発効後直ちに20%から40%削減され(表4参照)、その割当数量は10年間かけて5,300トンから8,300トンへと拡大されます。現行関税率が21.3%の品目は、EPA発効初年度に17%へと引き下げられます。
  • ■ 牛肉、牛肉のくず肉、調製をしおよび保存に適する処理をした牛肉に関しては、EPA発効の後5年目の年に再交渉を行うことが定められています。日本が第三国に特恵的な待遇を与えた場合、オーストラリアにも同等の待遇を与えるべく、見直しを実施することが定められています。
表3 日豪EPA 食用のくず肉
関税率表番号 品名 基準税率
(現行)
日豪EPA
発効初年度
0206 食用のくず肉(生鮮のものおよび冷蔵したものに限る)
0206.10.011 牛の舌 12.80% 7.6%(R5)
0206.10.019 牛の臓器 12.80% 7.6%(R5)
0206.10.020 牛のほほ肉および頭肉 50% 30%(R5)
0206.10.090 牛のくず肉-その他のもの 21.30% 12.7%(R5)
0206 食用のくず肉(冷凍したものに限る)
0206.21.000 牛の舌 12.80% 7.6%(R5)
0206.22.000 牛の肝臓 12.80% 7.6%(R5)
0206.29.010 牛の臓器 12.80% 7.6%(R5)
0206.29.020 牛のほほ肉および頭肉 50% 30%(R5)
0206.29.090 牛のくず肉-その他のもの 21.30% 12.7%(R5)
0210 肉および食用のくず肉(塩蔵し、塩水漬けし、乾燥しまたはくん製したものに限る)
0210.20.000 牛の肉 161.50円/kg 96.90円/kg(R5)
0210.99.000 その他のもの 161.50円/kg 96.90円/kg(R5)

R5:牛肉の食用くず肉に関しては、EPA発効の後5年目の年に再交渉を行うことが定められています。

表4 日豪EPA 肉の調整品
関税率表番号 品名 基準税率
(現行)
日豪EPA
発効初年度
1601 ソーセージその他これに類する物品(肉、くず肉または血から製造したものに限る)およびこれらの物品をもととした調製食料品
1601.00.000 ソーセージ 10% 8%(R5)
1602 その他の調製をしまたは保存に適する処理をした肉、くず肉および血
1602.10.000 均質調整品 21.30% 17%(R5)
1602.20.010 牛の肝臓 21.30% 17%(R5)
1602.20.091 その他のもの-気密容器入りのもの 6% 0%

1602.20.099 その他のもの 6% 0%

1602.31.210 気密容器入りのもの/密封容器入りのもの 21.30% 17%(R5)
1602.50.100 牛の腸、ぼうこうまたは胃の全形のものおよび断片、単に水煮したものに限る 0% 0%のまま

1602.50.210 牛の臓器および舌のもので、気密容器入りのもの 21.30% 17%(R5)
1602.50.291 その他のもの-単に水煮したもの 25% 20%(R5)
1602.50.292
1602.50.299
その他のもの 21.30% 17%(R5)
1602.50.310
1602.50.320
1602.50.331
1602.50.339
1602.50.391
1602.50.399
牛の肉および食用くず肉(臓器および舌を除く)の含有量合計が全重量の30%未満のもの(他の分類に該当あるいは含まれる場合を除く) 21.30% 17%(R5)
1602 その他の調製をしまたは保存に適する処理をした肉、くず肉および血
1602.50.410 その他のもので、単に水煮した後に乾燥したもので、気密容器入りのもので、冷蔵および冷凍のいずれもしていないもの 38.30% 30.6%(R5)
1602.50.420 その他のもので、単に水煮した後に乾燥したもので、気密容器入りまたはその他のもの 50% 36%(R5)
1602.50.490 その他のもの 21.30% 17%(R5)
1602.50.510 気密容器入りのもの(ビーフジャーキー) 10% 8%(R5)
1602.50.520 気密容器入りのその他のもの 10% 8%(R5)
1602.50.590 気密容器入りではないその他のもの 10% 8%(R5)
1602.50.600 コーンビーフ 21.30% 17%(R5)
1602.50.700 その他のもので、気密容器入りのもの(野菜を含むものに限る) 21.30% 17%(R5)
1602.50.810 その他のもの-単に水煮したもの 45% 36%(R5)
1602.50.890 その他のもので、気密容器入りのもの(他の分類に該当あるいは含まれる場合を除く) 38.30% 30.6%(R5)
1602.50.910
1602.50.991
1602.50.999
その他のもので、気密容器入りのものを除く(他の分類に該当あるいは含まれる場合を除く) 50% 30%(R5)
1602.90.100 その他のもので、血、腸、ぼうこう、胃の調整品を含む 0% 0%のまま

1602.90.210 その他のもので、血、または牛のくず肉を含有する調整品を含む 21.30% 17%(R5)
1602.90.290 その他のもの 6% 6%(R5)
1603 肉のエキスおよびジュース
1603.00.10 肉のエキスおよびジュース 12% 10年で0%(R5)

R5:調製をしまたは保存に適する処理をした製品に関しては、EPA発効の後5年目の年に再交渉を行うことが定められています。

3. 生体牛

  • ■ 日豪EPA発効後直ちに、日本は生体牛の輸入に係る関税を、輸入数量に制限を設けることなく20%削減します。1頭の重量が300キログラム以下の牛に係る関税は、現行の3万8,250円/頭から3万600円/頭へと引き下げられます。1頭の重量が300キログラムを超える牛の関税は、現行の6万3,750円/頭から5万1,000円/頭へと引き下げられます(表5参照)。
  • ■ 生体牛に関しては、その市場アクセス拡大を視野に、EPA発効の後5年目の年に見直しを行うことが定められています。日本が第三国に特恵的な待遇を与えた場合、オーストラリアにも同等の待遇を与えるべく、見直しを実施することが定められています。
表5 日豪EPA 牛(生きているものに限る)
関税率表番号 品名 基準税率
(現行)
日豪EPA
発効初年度
0102 牛(生きているものに限る)
0102.10.000 純粋種の繁殖用のもの 0% 0%のまま(R5)
0102.90.010-1 水牛 0% 0%のまま(R5)
0102.29.100
0120.90.210
その他のもので、1頭の重量が300キログラム以下のもの 38,250円/頭 30,600円/頭(R5)
0102.29.200
0120.90.290
その他のもの 63,750円/頭 51,000円/頭(R5)

R5:上記品目に関しては、EPA発効の後5年目の年に見直しを行うことが定められています。