私たちのハッピーな毎日にフィットする、ちょっとした食テクニックについて、女子栄養大学 生涯学習講師 春日先生にお話をうかがいました。

春日千加子 先生

春日千加子 先生

女子栄養大学生涯学習講師
栄養学博士・管理栄養士

大学の栄養クリニックでの栄養指導をはじめ、専門学校の非常勤講師、自治体などの栄養教育、糖尿病専門クリニックでの栄養相談など幅広く携わる。女子栄養大学出版部「おうち太り・栄養不足・自炊疲れすべて解決!テレワークごはん」、「更年期からのコレステロールを下げる毎日ごはん」など執筆、監修。

日頃、疲れやすいと感じている女性は約90%

仕事や家事、育児などいくつもの役割をこなす女性は、いつも一生懸命。「日頃、疲れやすいと感じることはありますか?」とのアンケートでは、実に約90%※の女性が「疲れている」「疲れが抜けない」ということが分かっています。

実はその疲れ、鉄不足と関係しているかもしれません。現代女性の多くが慢性的に鉄不足になっています。そして以前から、若い女性の鉄欠乏性貧血が多くみられます。女性は月経のたびにたくさんの鉄を失っています。そして忙しさから、欠食や外食、加工食品中心などのバランスの悪い食事など、ついつい自分の食事を後回しにする方も多いではないのでしょうか。

イキイキとしたハリのある毎日のためにも、鉄は意識を高く持ちたい栄養素。疲れを感じたら“あっかんべー”をして下まぶたの内側が白くなっていたら、鉄不足のサインかもしれません。まずは、自分の栄養状態を知ることも、自分を大切にすることにつながります。
※2016年MLA豪州食肉家畜生産者事業団調べ(20〜50代女性)

ヘトヘト、ヒエヒエ、イライラするのは、鉄不足かも?

鉄は、体のすみずみまで酸素を運搬する役割を担い、赤血球の成分であるヘモグロビンを構成するミネラルです。鉄が不足すると、まさに酸欠状態となり、疲労感、冷え、集中力の低下など、身体的にも精神的にも辛い状態になりがちです。

しかし、体の中に蓄えられている鉄がなくなるまで気づきにくい栄養素でもあります。ゲンキとキレイのためにも、意識して鉄を摂取することが大切です。それには、オージー・ビーフのような牛赤身肉がおすすめです。オージー・ビーフは、吸収のよいヘム鉄を豊富に含んでいます。しかも、造血を促すたんぱく質も一緒に摂ることができる“タイパ(タイムパフォーマンス)”のよい食材とも言えます。

オージー・ビーフに含まれるヘム鉄は、非ヘム鉄とは異なり鉄ボルフィリン複合体に囲まれているため、胃や腸に対する刺激性が少なく、他の食材や飲み物などで吸収を阻害されない体に優しい栄養素です。日々の献立にも取り入れやすく、料理もしやすい食材なので、忙しい時の料理にこそぜひ取り入れれば、家事負担も軽くできるかもしれません。

内側からゲンキに!鉄テクニック

牛赤身肉のオージー・ビーフには脂質が少なく、良質のたんぱく質や鉄が豊富に含まれています。鉄はビタミンCを多く含む緑黄色野菜などと一緒に摂ると、吸収率がアップします。

忙しい日の料理に、フライパンひとつでできる具沢山リゾットはいかがでしょうか。シンプルな材料の組み合わせなので、いろんな味のバリエーションも楽しめます。

Inner Make Recipe

ゴロッとしたビーフのボロネーゼ風もち麦リゾット
ゴロッとしたビーフの
ボロネーゼ風もち麦リゾット

フライパンにオリーブオイルを熱し、オージー・ビーフ(ステーキ肉)、舞茸をこんがり焼き、トマト水煮、水を加え沸騰させ、もち麦ごはんを加えさっと煮込見ます。
ステーキ肉の表面をたたくことで、まるで粗めの挽肉のような食感に。かたまり肉よりも手軽にカットでき時短になります。コツは、ゴロッとした具材の食感。噛み応えが満腹度を高めてくれます。きのこをよく焼いて香りをだすと、より一層味わい深さが加わります。
疲れた時は料理も無理をせず、フライパンひとつでできる料理で、美味しく時間の工夫をするものご自愛につながるアクションです。

忙しい時こそ自分の体調に目をむけ、栄養バランスを上手に保ち、食事を楽しく、体も心も嬉しいものにしましょう。インナー美人をイメージしながら、自分の体と向き合うちょっとした時間が、明日の健康へと繋がります。